えちょ記

語らないブログ

カスタムイヤホン

今日、ちょっと感動的に楽しい一日だったので書いておきます。オーディオの話なのですが、自分は全く専門外、ぶっちゃけiPodでアニメの曲聴いて神曲ハアハア言ってる人間なので、その辺はまあさっ引いて読んでくだされ。

マイヤーヒヤリングヘルスケア株式会社

今日行ってきたのはこの店。神戸六甲アイランド、ファッションマートビル8階にたたずむオフィスフロアの一角。というかこのビルは非常にバブリー先進的な設計なので、この会社のオフィスは何故か直角三角形の、オフィスとしてはやたらに微妙な形をしている。四角い部屋もあるけどね。アパレルベンチャーを支えるために神戸市が建てたこの建物、他と比べて割と安めな賃金も手伝って、近年までは新進気鋭の企業を中心にフロアが賑わっていたようです。古今所のリーマンショックの影響で空き部屋が目立っていますが、まあそれは今回は関係ない話。

カスタムイヤホンってなんですか?

貴方の耳にあわせた、自分だけのイヤホンを作ります。以上!まあ耳にシリコン入れて固めて耳栓作って、それにイヤホンドライバをくっつければできあがり。従来のカスタムイヤホンは出来上がりまでの行程が多く、どうしても15万〜20万以上、2〜3週間はかかりますよ、の世界になっていました。しかしここのイヤホンは特許技術により、制作時間わずか5分で完成です。
まあ原理的には風船を耳に突っ込んで、その状態でシリコンを入れて2分待てば固まって出来上がり。リクツは聴いてみればああなるほどの世界ですが、特許を取れるだけの製品に仕立て上げたのがカナダのソノマックス。仕組みがシンプルなので価格も耳栓部分が多分2.5万くらい?イヤホンドライバ「サウンドケージ,PCS500-?」をセットにしても5万弱と、従来に比べれば破格の料金で販売しています。‥‥まあ、イヤホンってどうしても安物イメージあるので、一般の人的にはこの値段ならヘッドホンだろうという事になっちゃうんですが。

この会社の神髄は神戸六甲本社にあり!

この手のイヤホン市場はどうしても東京が本場らしく、関西ではどうにも売れないそうです。しかし、あえて言おう。「ここでイヤホン作るなら自分のお気に入りCD持って神戸に行け!!」ここの社長さん、まあ初老の人当たりの良さそうなおっちゃんですが。とにかく生粋の正しいオーディオマニア。この会社の応接間にセットしているオーディオセットは半端じゃありません。
俺は安物アンプで音出ればいいやという程度のオーディオセットしか持ち合わせてないし、専門的な話もさっぱりでしたが。とにかく、実際に出る音が半端じゃない。スピーカーは2セットなのに、まるでフルサラウンドのように「音に包まれる」、それも「楽器が底にあるように忠実な感触」があります。
スピーカセットの特性はおっちゃんの主義でしょう、とにかくフラット。低音すら全く位相のずれを感じないシャープな立ち上がり、そこから最高音域まで自然な音場が形成されています。
で、建物が直角三角形であることが、更にその出力を引き立ててます。スピーカセットが直角三角形の底辺に配置され、応接のソファーがその向かい側にセットされています。深々とソファーに座ったとき、正面から出るピュアな音と、三角の両辺から反射される音が、ちょうどソファーの位置で解像する。だから、もうまるでフルサラウンドのオーディオセットかと思うくらいに音に包まれるのです。
多分、ここよりいい音が聞ける部屋なんて、そうそう無いんじゃないかなぁ。商売でやってるというか、絶対おっちゃんの趣味。この音にたどり着いたオーディオマニアが作るイヤホンですよ、はずれな訳無いじゃないですか。

制作5分、滞在時間3時間?

もう1人、ここ買えという友達にそそのかされてきたんですけどね。やー、おっちゃんとの会話が盛り上がる、盛り上がる。ビンテージスピーカーの話やら伝説のCDプレイヤーの話やら。おれっちはマニアじゃないのでそのあたりの話は聞くだけだったけど、それでも楽しかったなあ。色々CDを視聴させてもらったりいろんな話に花が咲いたり。気がついたら3時間、お邪魔しておりました。他の客も来なかったのもあって、とにかく音にまみれた充実した時間でした。制作は5分だけど、おっちゃんの話が面白いからなるべく沢山時間用意して訪ねると楽しいよ!自分のCD持ち込みは大歓迎らしいよ!

肝心のイヤホンは?

‥‥あ、忘れるところだった。カスタムイヤホンの神髄は「耳栓部分の遮音性」です。音質はまずS/N比が良くないとどうにもならないのですが、ソノマックス耳栓はその「N」の部分を強力な遮音で押さえ込みます。音楽鳴ってたら特急電車が10mのきょりになるまで、踏切で音が聞こえないです。そのくらい強力。
その耳栓にイヤホンユニット「サウンドケージ,PCS500-?」を組み合わせます。デュアルバランスドアーマチュアの、いわゆる3万円クラスの高級品カテゴリのドライバです。特性はフラット、ただしかなり低いところから可聴域最大まで。遮音があるから無理な音量にしなくても音楽に浸れます。電車の中で、自分の周りだけ別のオーディオ空間を作り出しているような、そのくらい音については外界と遮断されます。そして解像が高い気持ちのいい音に包まれるわけですよ、もう至高がそこにあるに決まってるじゃないですか。
なお、作った直後の視聴で気に入らなければ返品おっけーのはずです。でも、聴いて返品する人なんていない。もうはっきり音が違うからね。やっぱり自分の体に身につけるものはカスタムする効果が高いのですよー。や、とにかくこれで5万はすごいのです。

問題はというと

買う人は満足します、もうほぼ絶対。だけど、これ、人に勧めても買ってくれるところまで考える人どう考えても少ないよね。なんていうか全然違うから、音楽持ち歩く人で、イヤホンに3万以上出せる人なら、もう第1選択にしても良い位なんだよねー。多分これ買ったら他の機種はいらなくなる。んでも、やっぱそこまで分かってても、見た目ちっこいイヤホンにそこまでの技術がつぎ込まれてるなんて思われないんだよねぇ〜。

買おうと思った人は

神戸に来れる人は、なるべく友達2〜3人連れて六甲に来なさい。少々遠くても六甲を目指しなさい。おっちゃんを体験する価値は、プライスレスだ。東京より東は‥‥ま、まあ厳しいね。うーむ。

今日は楽しかったですよ!

おれっちらのような若造にニコニコしながら対応してくれた真オーディオマニアおっちゃんに乾杯!なのだ。