えちょ記

語らないブログ

そのイヤフォン、鼓膜を引っ張れますか?

まず先に、PCS500IIの悪いところ。「低音が足りない」こればっかりはどうしようもないみたい。先の記事の2つに比べ、低音のドライブは完全に負けてます。一番下の方の周波数が出てない感じ。ウォークマンのイコライザでかなり補強は出来ますが、出ないものは出ないので、これはもう白旗出しちゃうしかないと思います。

逆に言えばそれ以外完璧です。このイヤフォンは「あらゆるノイズ音をきわめて正確に」再現します。スネアドラム・ギターのピック・女性ボーカルのブレスなど‥‥。ノイズ音の立ち上がりと沈み込みのスピードが半端じゃありません。普通これだけ強弱が付くと金属っぽい変な感じも同時にするんですが、PCS500IIにはそれもない。楽器の音がとてもきれいに聞こえるので、このイヤフォンで聞くと曲の評価が普通に★1つ上がります(笑)。

最初はカスタムならではの遮音の恩恵かと思ってました。しかし今回、同じカスタム耳栓に使えるPCS300IIと聴き比べることが出来、そこで気が付いたことがあるんですよね。

PCS300IIはプレイヤーの音量が同じならこっちの方が音圧が大きくでます。BAシングルドライバーの元気のある音です。ただ、その分音像が不明瞭で、上と下の音があいまいです。高音は出てない気がする。AM放送よりまし、FM放送より劣る。そんな感じの音。

どこに音の違いがあるのか。私はPCS300IIには鼓膜を「引っ張る」力が無いんだと、結論付けました。‥‥って引っ張るって何?

このカスタムイヤフォン耳栓ですが、遮音もすごいですが、その上「気密性」がすごいです。SE535当たりの遮音もすごいですが、これはあくまで「耳の入り口の音の通り道をふさいでる」ところまでで、気密にはしてないと思います。

このイヤフォン耳栓は完全に気密状態になります。耳から取り外すとき、急いで取り外したりすると鼓膜が引っ張られて痛くなったりするほどです。風船を膨らますようにして作る、このイヤフォンの独特のカスタム作業に秘密がありそう。

そして良い音を聞くコツは「耳の空気を追い出すようにして、最終的に少し耳の中を負圧にする」ように付けることです。この時PCS500IIは最高の空間を作り出します。

負圧を作ることで、イヤフォンドライバは鼓膜を叩くだけじゃなく、引っ張ることもできるようになる。ドライバに十分な力があれば、鼓膜までケーブル直結させたような正確なドライブが出来る。それがPCS500IIの秘密なんだと悟りました。

ノイズを正確に出せるという事は、波形の位相まで揃ってるという事。位相が狂うとイコライザで高音を持ち上げたときに高音のピークが間延びして耳障りになりますが、このイヤフォンにはそれがありません。デジタルイコライザであれば位相が狂わずに耳に届きます。

でも結局、ウォークマンとの組み合わせでは「クリアバス最大」で低音に元気をつけるだけで、後はノーマルが一番きれいに出るんですねー。

ほんっと、イヤフォンに5万出せる人は、1回「PCS500II」作ったほうがいい。本当にクリアな、気持ちいいサウンドですから。ノイズ音を正確に鳴らすには本当に難しいんですが、PCS500IIはそれが出来る数少ないイヤフォンの一つだと思います。