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Amazon EC2&S3の最小Web鯖構成の月額はいくら?

ちょっと気になって、今時のクラウドで流行の「Amazon EC2&S3」のコストを調べてみました。基本的にはインターネット上に必要なだけのCPUリソースを仮想的に貸し出すサービスですが、ここでは「最小構成のWebサーバ」を普通に維持するだけ、ぶっちゃければうちの自鯖程度のものを外に置くと仮定した場合のコストを調べてみます。

Amazon EC2&S3(AWS)の俺的理解

正確な理解はぐぐって調べてください、間違ってたら突っ込むかスルーしてください(^^;。ぶっちゃけて言えばEC2は仮想PCと回線の貸し出し、S3はHDDの貸し出しです。EC2はトラックの貸し出し、S3は倉庫の貸し出しみたいなもの。トラックは1台単位の時間貸し+ガソリン代+高速料金、倉庫は1ヶ月当たりの場所代で支払いが都度発生します。これまでのサービスはトラックと倉庫の貸し出し単位に融通が利かなかったのですが、AWSの貸し出しはかなり細かい単位で必要なだけのリソースが借りられるのが特徴です。

軽トラ1台、そのスペックは?

EC2の基本は、「数種類用意された仮想CPU」から、「必要な台数」を、「1時間単位」で貸し出すサービス。Googleのサービスのように「CPUパワー」ではなく、あくまで仮想的なPCを何台借りるか、という割とおおざっぱな単位になっています。
借りられるトラックには軽トラからF1エンジン積んだスーパーカーまで各種取りそろえられていますが、最も最小スペックの「Small Instance」では以下のスペックとなります。

  • メモリ:1.7 GB
  • CPU:32bit、1CPU
  • HDD:160GB

CPUのスペックが分かりにくいんですが、1CPUが1.0-1.2 GHzの2007年スペックのOpteron / Xeon相当、となっています。Core2相当?‥‥まあ、多分うちの貧弱自鯖のCPUよりは上。これ1台借りればうちのWebには十分でしょう。
なお、EC2で借りれる「仮想PC」は、電源ONの間(借りている間)は上記メモリ、HDDを占有できます。CPUでの貸し出しなのでOSレベルでごっそり入れ替えることも可能です(ただしWindows系は25%割高になる)。ただし、OFFにするとHDDも含めてデータはきれいさっぱり無くなってしまうため、OFFにする間やトラブルに備えるためのバックアップ倉庫(S3)領域を借りるのを忘れてはいけません。

軽トラのリース料金

以下、円換算レートを1ドル=95円で計算します。とりあえず、この軽トラのリース料は‥‥、「$0.085 per hour」?んーと、24h *365.25day / 12month * $0.085 * 95円‥‥。ん、5898.7875、1ヶ月約六千円。回線代別なのに高杉オワタ?
いえ、これは「On-Demand Instances」、単純な時間貸しリースの価格。Webサーバとして常時1台占有する場合、割安の「Reserved Instances」があります。これは1年or3年間、本体を貸し切り料金で押さえる代わり、使ってるときのリース料(電気代)を割り引きますよ、というサービスです。
1年契約の場合、リザーブ料金$227.50と、時間当たり$0.03が必要です。これで1ヶ月の料金を計算し直すと、
(227.50/12 + 24h *365.25day / 12month * $0.03) * 95円 = 3 882.96。4千円弱となります。3年契約なら3 005.5と、ほぼ3千円程度です。

倉庫100GBほど借りるとして

まあうちの鯖、ここまで使ってないですけど。前述通り、EC2のインスタンス(仮想PC)は電源OFFや障害時に中身が全部吹っ飛びます。なので基本的に最低1台分の荷台(HDD)の中身を安全にバックアップする倉庫が必要です。この安全な倉庫がS3という場所。すごくおおざっぱですが、まあ100GB借りましょう。

  • $0.150 per GB – first 50 TB / month of storage used

ほむ。100GB * $0.15 * 95円 = 1425円と‥‥。もーちょっと安くしてほしいなぁ。でもこんなものなのかなぁ‥‥。このあたりは考慮のしどころかもしれないですね。CPUパワーだけが必要な場合はこの辺はもっと削れると思います。なお、AWSではデータ転送にもコストが発生しますが、S3倉庫とEC2トラック間の荷物のやりとりに関しては無料です。

ガソリン代、転送量20GBほど

物流にはガソリン代も欠かせません。さて、転送量はいかほど?

  • Data Transfer In: $0.10 per GB
  • Data Transfer Out: First 10 TB per Month $0.17 per GB

INとOUTで価格が異なりますが、ややこしいのでOUTの値段で考えます。ここでプロバイダの月間転送量を確認すると、40GBほど使ってます。大半は自分の無駄なソフトダウンロードやファイル交換だと思うので(^^;、自鯖が20GBほどくってると考えます。
20GB * $0.17 * 95円 = 323円。おや割と安い。

その他、そして超どんぶり勘定合計

んー、あとwebアクセス単位(GET/POSTなど)での課金があったんじゃないかと思って調べましたが、EC2では関係ないっぽいなぁ。CPUパワーに含まれるのかしらん。ここまで出てきた金額をすべて足してみると‥‥。

3883円(トラック代) + 1425円(倉庫代) + 323円(ガソリン代) = 5631円

つまり、月額6千円弱程度で、おれっち程度の弱小自鯖を外部に借りられる計算になる‥‥と思う。弱小とはいえ、ハード故障対応&OSインストール対応込みのフルスペック仮想PCを借りられる、更に急にパワーが必要となれば追加で借りられる冗長性が得られるわけだから‥‥。ん?もしかして割とあり?
実際には月額の正確な金額が見積もりにくい&サポートが英語&自由度と引き替えに自己責任の部分が多いなど、AWSでの癖は多々あるのですが、割と何とかなる値段なのだなあ?と思ってきました。
とはいえ、もう一声欲しいですけど。この計算で4千円切る頃には本気で検討したいと思った秋の夜長でした。