えちょ記

語らないブログ

現実的などこいつの話

そしてこれまでの壮大な話をかなり無視して、「どこいつ」の話。
どこいつ式AI(人工無能とか言うけど)はデスクトップエージェントの会話エンジンとして結構な成功を収めたと考えていますが、実はこれにも根底に「掛け算」の発想があったからだと思います。
どこいつAIにとって、掛け算は「新しく会話の分岐を作ること」、そして足し算は「分岐に新しい要素を加えること」です。
AIを作りこむうえで問題になるのが、会話パターンが増えてくると、少々パターンの追加を行ったところで、見かけのAIの会話バリエーションが増えていかないことです。10を20にするのは簡単ですが、100を200にするのは大変です。しかも人間から見た会話らしさは、指数関数で見えてくるので、前者も後者も、AIバリエーション的にはどっちも2倍にしかなりません。これはソートー辛い。
ここで効いてくるのが「新たな分岐」です。一本道のストーリーに分岐を加えることで、その先の繋がりが見えなくなり、会話に新味が出てきます。更に分岐先をすでにある会話に接続したりすることで、全体として生成される会話バリエーションが飛躍的に伸びます。
ただし、余り無頓着にあっちこっちに飛ばすと、会話の繋がりが感じられない「シュール」な会話となってしまいがちですので、このあたりのさじ加減がどこいつ辞書作者の真骨頂と言えるでしょう。
会話の作成に行き詰ったら、どこか新しく分岐できるところは無いか、別のところに飛ばすことは出来ないか探してみると、結構大きく化けますのでお勧めです。但し呼び出しがループして無限に終わらないようなことだけは注意です(^^;。