えちょ記

語らないブログ

スポーツの面白さ、柔道編

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ゼロデバさんの所をトラックバックするのが流行りのようなので(違う)。私は、学生時代柔道をやっていた事もありますので、そっち関係でちょっと、「おもしろさ」というのを考えてみようかと。

アテネオリンピック。日本、強かったですね。でも、それ以上に感じませんでしたか?前回のオリンピックの時より、「面白く」なっていませんでしたか?日本が強かった事を差し引いても。

この間テレビで、国際柔道連盟(IJF)の山下泰裕理事(ロサンゼルスオリンピック金メダルの山下さんです)のインタビュー番組がありました。アテネでの柔道ルール改定に関する事が話題です。

4年前シドニーで、当時の日本監督だった山下さんが、100キロ超級で篠原選手に対する判定に執拗に抗議を行った事。内股すかしで一本に見えたものが、逆に相手の有効になった事に、当時世論は騒然となりました。

恐らくこの時に、彼の「柔道改革」は始まったのでしょう。今回のアテネで改善されたポイントは以下の通り。


・違法柔道着の追放
柔道は相手の袖を持つ事から始まりますが、この部分を持ちにくく加工した柔道着が横行していました。今回は試合数日前と試合当日に、柔道着のチェックを行う事でこのような違反を完全に封じ込めたそうです。


・動いている試合は止めない
これまでの柔道ではチョットした事で反則を取って試合を止め、まるで反則の数を競うような競技になってしまっていました。これでは見ている観客にも基準がよく分からず、おもしろみが半減します。

今回は試合が動いている限り、立ち技でも寝技でも少々の事はスルーして試合を止めない事を審判団に指示したそうです。


・消極的な行動に対する反則
逆に、消極的に逃げているような行動に対しては即座に試合を止め、反則を取るようにしました。これにより、「負けない柔道」を追放し、「勝ちに行く柔道」を推奨することになりました。試合もダイナミックになり、見た目に面白くなりました。


・延長戦「ゴールデンスコア(GS)方式」の導入
ポイントが同じになった場合、以前のように主審副審3名の「旗」判定を廃止し、延長戦を行うようになりました。延長の場合小さなポイントでも試合が決まる事になり、以前に比べ非常にスリリングな試合が行われるようになりました。


山下理事曰く、「観客が見て面白いスポーツにするために努力してきた」という趣旨の言葉がありました。確かにそう思います。

今回のアテネオリンピックでは、試合が一本で終わる確率が、決勝戦で14試合中10試合(71%)、以前のシドニーでは14試合中7試合(50%)というデータがあります。これだけ見ても、柔道の醍醐味である一本勝ちが増え、見た目に面白くなった事を実感できます。

柔道の、観客としての楽しみ方は、「いっぽ〜〜ん!」と思わず主審と一緒に手を挙げてしまうような試合、その瞬間のアドレナインの上昇を味わう事。勿論そこまでの過程、例えば組み手争いや、フェイントの掛け合いとかの見所もあるんですが、それはあくまで分かってる上級者が語り合えばいい事なのです。

彼のインタビューを見て、スポーツはやっぱりまず、「見て楽しめるもの」じゃないとだめなんだなーと、つくづく感じました。山下理事の目指した柔道の改革は、わかりやすい面白さ。それはテクニカルなポイント制に陥りがちな欧米勢の考え方を退けた、正しい方向性だったと、私は思います。